職種別活用

経理担当者のためのAI活用ガイド|仕訳・請求書・経費精算のコピペプロンプト付き

オフィスの窓際でタブレット端末を確認しながら作業する会社員のイメージ(経理業務のAI活用を象徴する説明用写真)
WOCinTech Chat / CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

結論

経理の仕事でAIが今日から効くのは、「仕訳や経費データの下ごしらえ」と「文章の下書き」の2種類です。会計ソフト側のAI機能がデータの読み取り・仕訳化を、ChatGPTやClaude、GeminiなどのチャットAIが月次レポートやFAQ回答の下書きを担当する——この役割分担を知っておくと、ツール選びに迷いません。

経理の仕事を4タスクで考える

タスク今までの手間AIが担当できる部分
仕訳の入力明細を見ながら勘定科目を都度選ぶ会計ソフトのAIが勘定科目の候補を提示(最終確認は人)
請求書・経費のデータ化紙やPDFの内容を手入力AI-OCRが日付・金額・取引先を自動抽出
経費精算のチェック領収書と申請内容を目視で照合交通系ICカードの利用明細などをAIが自動抽出
月次レポート・社内FAQ数字から文章を都度書き起こすチャットAIが下書きのたたき台を作成

タスク1:仕訳のたたき台をAIに作らせる

freee会計は、明細に記載された日本語の摘要から勘定科目を推測する自動仕訳のAI技術を持ち(2016年に特許取得済み)、使うユーザーが増えるほど推測精度が上がる学習エンジンを備えています。この技術発表当時、同社は「仕訳登録AI」機能により作業時間を最大90%削減することを目指すとしていました。これはfreee社が公表していた目標値であり、現在の実際の削減幅を保証するものではないため、自社での効果は実際に試して確認してください(出典参照)。マネーフォワード クラウド会計も、ファイルをアップロードするとAI-OCRが仕訳候補を作成し、使うほど精度が上がる仕組みを備えています。すでに使っている会計ソフトにこうした機能があるかを、まず確認するのが最短ルートです。

タスク2:請求書・経費精算のデータ化

freee会計は2026年3月26日から「AIおまかせ明細取得」のベータ版を開始し、モバイルSuicaの利用明細PDFから日付・利用内容・金額を自動抽出できるようになりました(第一弾はモバイルSuica対応、順次対象拡大予定)。交通費精算のように「PDFやレシートを見ながら手入力する」作業は、自分が使っている会計ソフトにAI-OCR機能があるかを確認する価値があります。

コピペプロンプト(経費精算チェック用)

役割:あなたは経費精算をダブルチェックする経理担当者です。

目的:提出された経費一覧から、記載ミスや規程に反する可能性がある行を洗い出したい。

材料:以下は経費一覧です(日付・費目・金額・摘要の列。取引先名や個人が特定される情報は勤務先のルールに従い伏せてください):〔ここに貼り付け〕

形式:怪しい行だけを「行番号・理由」の2列表で出力してください。

タスク3:月次レポート・社内FAQの下書き

数字の集計自体はAIに任せず、会計ソフトやExcelで確定させた後の「文章化」がチャットAIの得意分野です。ChatGPT・Claude・Geminiにはいずれも無料プランがあります(2026-07-15時点。上限や機能は変わるため最新は各公式サイトでご確認ください)。まずは無料の範囲で、月次コメントの下書きから試すのが堅実です。プロンプトの基本的な型はプロンプトの基本で解説しています。

コピペプロンプト(月次コメント下書き用)

役割:あなたは経理部で月次収支の概要をまとめる担当者です。

目的:経営会議向けに、先月との差分がひと目でわかる短いコメントを作りたい。

材料:以下は科目ごとの今月・先月の金額です(社外秘のため、社名や個別取引先名は入れていません):〔ここに貼り付け〕

形式:3行以内、増減が大きい科目を先に、数字は元の表記のまま変えずに書いてください。

注意:入力していい情報の線引き

会計データには取引先名・金額・個人の給与情報など機微な情報が多く含まれます。社外のAIサービスに入力してよい範囲は、まず勤務先の情報取り扱いルールが最優先です。ルールが明確でない場合も、取引先が特定できる情報や振込先口座番号は入れないのが安全な下限です。AI活用そのものが初めての方は仕事でのAI活用の始め方から、営業・人事など他の職種のタスクは営業担当者のためのAI活用ガイド人事担当者のためのAI活用ガイドも参照してください。

Sources

  1. freee会計「AIおまかせ明細取得」β版提供開始(プレスリリース)
  2. freee 自動仕訳AIの特許技術とスモールビジネスAIラボ
  3. マネーフォワード クラウド会計 機能紹介(AI-OCR等)

FAQ

経理の仕訳をAIに完全に任せてしまって大丈夫ですか?
会計ソフトのAI機能はあくまで勘定科目などの「候補」を出すもので、最終確認は人が行う前提の設計です。丸ごと自動化するのではなく、候補を人がチェックする運用にするのが安全です。
取引先名や金額が入った明細を、社外のチャットAIに読み込ませてもいいですか?
まず勤務先の情報取り扱いルールが最優先です。ルールが明確でない場合も、取引先が特定できる情報や口座番号は入れないことを下限にしてください。
freeeやマネーフォワードのAI機能と、ChatGPTなどのチャット型AIはどう使い分ければいいですか?
明細やレシートなど会計データそのものの読み取り・仕訳化は使っている会計ソフト側のAI機能が向いています。数字を基にした文章(月次コメントやFAQ回答の下書き)はチャット型AIが向いている、という役割分担で考えると迷いません。
AI DOJO編集部
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本記事は情報提供のみを目的とし、導入・契約・法務に関する助言ではありません。AIツールの料金・機能・規約は頻繁に変わるため、行動前に必ず記事内の公式リンクでご確認ください。社内情報・個人情報の取り扱いは、常に勤務先のルールを優先してください。