プロンプト

深津式プロンプトとは|「命令書・制約条件・入力文・出力文」の使い方

パソコンでプロンプトを入力している手元(イメージ)
wocintechchat.com / CC BY 2.0, via Wikimedia Commons

結論

「深津式プロンプト」とは、AIへの指示を命令書・制約条件・入力文・出力文という4つの要素に分けて、見出し形式で書くテンプレートです。note株式会社CXOの深津貴之氏が2023年に考案し、今もChatGPT・Claudeなど生成AI全般に使える基本形として広く参照されています。この記事では、正確な構造と、AI DOJOで紹介している「役割・目的・材料・形式」との関係まで整理します。

深津式プロンプトとは——考案者と発表の経緯

深津式プロンプトは、note株式会社のCXO(Chief Experience Officer)である深津貴之氏が考案したプロンプトの型です。2023年2月9日(木)、note株式会社が開催したイベント「あなたの仕事が劇的に変わる!? チャットAI使いこなし最前線」で発表され、当時ChatGPTの業務活用を模索していた層に広く共有されました(出典:Web担当者Forum/Impress)。

発表からすでに時間が経っていますが、2024年8月には深津貴之氏・岩元直久氏の共著で書籍『ChatGPTを使い尽くす!深津式プロンプト読本』(日経BP)が刊行されており、業務でのプロンプト設計の基本形として今も参照され続けている型です(出典:SHIFT AI TIMES)。

4つの要素で組み立てる構造

深津式プロンプトは、次の4つの要素をこの順番で書きます(出典:Web担当者Forum、SHIFT AI TIMES ほか複数の解説記事で共通して説明されている核となる構造)。

要素役割
命令書AIに与える役割(例:「あなたはプロの編集者です」)
制約条件出力の条件——文字数、文体、対象読者、避けたい要素など
入力文実際に処理してほしいテキストやリクエスト
出力文AIが結果を書き込む欄(空欄のまま渡す)

実際のテンプレート(そのまま使える形)

深津式プロンプトは、Markdownの見出し記号「#」で4つの要素を区切って書くのが基本形です。原型に近い形は次のとおりです。

```text

命令書

あなたは{役割}です。以下の制約条件と入力文をもとに、最高の出力文を作成してください。

制約条件

  • 文字数は{◯◯字}程度
  • {対象読者}にわかりやすい言葉で書く
  • {避けたい表現や要素があれば}

入力文

{ここに元となる文章や情報を貼り付ける}

出力文

```

「命令書」で役割を固定し、「制約条件」で出力の形を絞り込み、「入力文」に材料を渡し、「出力文」を空欄にしてAIに埋めさせる——という流れです。要約・ブレインストーミング・ロールプレイ・文章の相互レビューなど、幅広い用途で同じ型を使い回せるのが特徴です(出典:Web担当者Forum)。

なぜこの型が効くのか——「可能性空間を限定する」という考え方

深津式プロンプトの核にある考え方は、「AIが答えられる範囲(可能性空間)を、指示の時点であらかじめ絞り込んでおく」ことだとされています(出典:Web担当者Forum)。具体的には、次の3つの手法で絞り込みます。

  • 文脈を渡す:何のための作業かという背景を伝える
  • 具体的な役割を与える:「編集者」「リサーチャー」のように役割を固定する
  • 出力の品質を指定する:文字数・文体・形式を制約条件で明示する

「AIに丸投げで質問する」のと「命令書・制約条件・入力文で絞り込んでから聞く」のとでは、同じAIでも出力の安定感が変わってくる、というのがこの型の狙いです。

深津式2との違い——「わからなければ聞き返す」

発展形として「深津式プロンプト2」も紹介されています。最大の違いは、AIが情報不足だと判断した場合に、AIの側からユーザーに逆質問するという要素が加わっている点です(出典:SHIFT AI TIMES)。

  • 深津式(初代):曖昧さを事前に排除することを重視——制約条件で先回りして条件を絞り込む。
  • 深津式2:AIに補完的な判断力を持たせ、情報が足りない部分は聞き返させる——柔軟性を重視。

使い分けの目安としては、条件を自分で全部言語化できるタスクは初代、逆に「何を決めればいいか自分でも整理しきれていない」タスクは深津式2が向いています。

AI DOJOの「役割・目的・材料・形式」との関係

AI DOJOの記事で使っている4点セット「役割・目的・材料・形式」も、要素を絞ってAIに渡すという考え方そのものは、深津式が2023年に広めた「構造化して曖昧さを減らす」という発想と同じ系譜にあります。ラベルの言葉や、出力文の欄を空けて渡すかどうかは違いますが、狙いは共通しています。

深津式AI DOJOの4点対応の考え方
命令書役割AIに与える立場・専門性
制約条件(の一部)目的何のためにやるかという背景
入力文材料処理してほしい元データ・テキスト
制約条件(の一部)形式文字数・見出し数・並び順などの出力条件
出力文(欄なし)AI DOJOの形式ではAIの応答そのものが出力にあたるため、空欄を設けません

コピペプロンプト(深津式の考え方をAI DOJOの4点形式に落とし込んだ例)

コピペプロンプト(深津式の考え方で会議メモを整理する)役割目的材料形式
役割: あなたは社内向け報告書を整える編集者です。
目的: 長い会議メモを、上司が30秒で要点をつかめる短い報告に整えたい。
材料: 以下は会議の生メモです(社外秘の情報は勤務先のルールに従い伏せてください):〔ここに貼り付け〕
形式: 「決定事項」「懸念点」「次のアクション」の3見出しで、それぞれ3行以内にまとめてください。

このプロンプトの「役割」が深津式の「命令書」、「材料」が「入力文」、「形式」が「制約条件」にあたります。深津式の見出し形式(# 命令書など)をそのまま使いたい場合は、上の「実際のテンプレート」をコピーして角括弧の部分を書き換えてください。

注意:材料に機密情報を入れる前に

どちらの型を使う場合も、「入力文」「材料」の欄に社内の実データを貼り付ける前に、社内情報をAIに入力していいか迷ったらを確認してください。

もっと詳しく型を使いこなすなら

AI DOJOの4点セットの基本はプロンプトの基本|「役割・目的・材料・形式」の4点セット、職種別のテンプレートはビジネスのプロンプトテンプレート、要約タスクへの応用は要約プロンプトのコツもあわせてご覧ください。

Sources

  1. 【深津式プロンプト】「ChatGPTに役割を与える」活用例と使い方(Web担当者Forum/Impress)
  2. 深津式プロンプトとは?テンプレートや7つの実例、応用ポイントを解説(SHIFT AI TIMES)

FAQ

深津式プロンプトはChatGPT以外のAI(Claude・Geminiなど)でも使えますか?
はい。役割・制約条件・入力文・出力文を見出しで整理して渡すという考え方自体は特定のAIに限定されたものではなく、Claude・Geminiなど他の生成AIでも同じように使えます。
深津式と深津式2、どちらを使えばいいですか?
出したい条件を自分ですべて言語化できるタスクは初代の深津式が向いています。逆に、何を決めればいいか自分でも整理しきれていない場合は、AIが情報不足を判断して聞き返してくれる深津式2のほうが実務的です。
AI DOJOで紹介している「役割・目的・材料・形式」のプロンプトと、深津式は同じものですか?
同じ系譜にある近い考え方ですが、同一のものではありません。深津式は「命令書・制約条件・入力文・出力文」をMarkdownの見出しで区切る形式で、AI DOJOの4点は「役割・目的・材料・形式」というラベルで、出力文の空欄を設けない簡略形です。狙い(曖昧さを減らして出力を安定させる)は共通しています。
AI DOJO編集部
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